ビジネスにおけるデータの活用がますます重要になるなか、一般のビジネスパーソンにも統計の知識や分析スキル=「データ分析力」が求められるようになっています。それは、データ分析の専門家や専門部署が行うような高度な統計技術でなく、仕事の現場で実践するための、ビジネスデータの基本的な情報把握やデータの傾向や相関などを発見・分析する基礎的な分析スキルです。そうしたスキルを身につけ、仕事のパフォーマンスを高めるためにビジネス統計スペシャリストを活用・推奨している企業と教育機関をご紹介します。
2021年度から行員のDXリテラシーを高めるため、「ビジネス統計スペシャリスト(エクセル分析ベーシック)」を採用しています。
「エクセル分析ベーシック」はエクセルでのデータ分析方法を学べますので、内容の理解と並行して、実践的なスキルの向上も図れるというところでも導入を決定するに至ったポイントです。【人事部人材開発グループ 平山みずほさん】
DXを進めるという観点では、エクセルはツールの一つでしかないのですが、「エクセル分析ベーシック」は、統計や分析の基礎的な知識と社会人が備えるべきエクセルというツールの活用能力がカバーされていて、気軽にチャレンジもでき、それでいてしっかりビジネス力がつくというところがとても良い点かなと思っています。【経営企画部デジタル戦略室 田﨑秀成さん】
2019年度から社内推奨資格にビジネス統計スペシャリストのエクセル分析ベーシックを採用しています。
統計に関する資格の中でも、実際にExcelを使うところまでが問われる資格だったことが、ビジネス統計スペシャリストを採用した決め手です。「統計」と「Excel」を活用することで、お客様からいただいた貸借対照表や損益計算書、販売、仕入、営業、顧客などのさまざまな経営情報をより多角的な視点で分析し、分かりやすい提案資料という形でアウトプットできるようになりました。
・業務に限らず、 日常生活の中で、情報を見る視点が変わったのは大きいです
・ひとつのデータをいろんな切り口から見ていくのは、特にビジネスではすごく重要なことだなと思います(受験者の声より)
目的に合わせた分析手法を学ぶ良い機会に
データを集めても「バラツキが大きい」、「外れ値を見つけられない」といったといった理由で傾向を読み取れないこともありましたが、学習を通じて移動平均や散布図の扱い方を学ぶことができました。
「ビジネス統計スペシャリスト」は、理論に加えて実際にExcelをどのように操作して分析を行うかを学べる上、試験問題もビジネスのシチュエーションをモデルにされているため、より実務に活かしやすい資格試験だと思います。(受験者の声より)
販売推進部やマーケティング部などの複数の部署と連携して、商品情報や顧客情報をベースとした販売促進や商品検討のための各種の業務支援を担っている業務部では、販売・仕入れ管理業務やお取引先のビジネスに最適な提案情報づくりに必要なさまざまなデータを取り扱っています。
これらのデータは、当部署に所属する社員(約30人)がExcelで日々処理していますが、このExcelスキルに、「データを見る力」や「分析をする力」をプラスして、“部署全体のスキルを底上げして支援力を強化しよう”と考えていた際に当資格のことを知りました。
この資格の学習・取得後は、データ処理後の報告資料づくりにとどまるのではなく、「グラフに予測値を記載し、現状と予想を数値に置き換えた分析的な報告が増えた」「1カ月先の状況予測を可視化することで、早期対応が可能になった」などの変化が表れてきています。対策教材で独学できるため、社員が資格で体得した知識を日々のExcel業務に落とし込んで考えていける実践的な点も良いと思います。【副部長 横山悟司さん】
近年、スマホ・IoT・クラウドサービスは進化し、企業が持つデータ量は飛躍的に増加していますが、データに強いスキルを持った人は大幅に不足しています。
私自身、コンサルティングをしていて、データに強い企業と、データが宝の持ち腐れになっている企業と、大きく二極化が進んでいることを肌で感じています。
大手IT会社のデータサイエンティストのような専門職にならなくとも、「データに強い人」という企業内需要は大幅に増加しています。
皆さまが、本資格のような基本的な統計スキルを身につけることは、語学の取得以上に企業内で価値を発揮する可能性があります。また、就活、転職、企業内ステップアップなど、さまざまなキャリアアップの機会を作りだすことと考えられます。
データマーケター学科の2年生を対象とした授業「データ分析演習Ⅰ」で、ビジネス統計スペシャリストのエクセル分析ベーシック取得を目指しています。長年採用しているMicrosoft Office Specialist(MOS)の取得を通じ、Excelの操作スキルはカバーしていますが、ビジネス統計スペシャリストを採用し、数値の意味を考えられるようになったことが大きな効果と言えます。
芦屋大学は、関西でも数少ない「技術科」や「情報科」の教員免許が取得可能なコースのある大学で、幅広い知識と教養に加え、実際のビジネスで必要とされる実践力を養うための授業を特徴としています。
当コースの学生は教員を目指して学んでいますが、卒業して教員として勤めると、生徒の成績処理や進学用のデータ活用、教育効果を把握するためのデータ分析など、想像以上に多くのデータを扱うことになります。
正確性やスピードなどデータ処理能力の高さに加え、きちんとした統計スキル(知識・技能)によって導きだした傾向を、各科目の点数や日常生活などのさまざまな事情と関連づけて分析していくことで、より良い教育指導ポイントを見出していくことにもつながります。これは日々、私が実感している統計スキルの利点です。
当資格は、統計学としての基礎的な知識とExcelを用いた技能の両面がバランスよく習得できる学習教材であり、学生にとっても、取得後は自身の“統計の実践力”を実感できる内容になっていると思います。